「やって来たりました笑」
晴れ晴れとした顔でそう言ったのは高校男子の生徒さん。 キャリアは長く、5歳の頃からずっと続けてレッスンに通ってくれています。 「と言うことは良かった?」 「最高でした」 そのレッスンの日は偶然彼の学校の文化祭の日だったのです。 「盛り上がったんやな」 「盛り上がりまくりでした」 「盛り上がり過ぎでテンションがやばかったです」 「自分の?」 「自分もですけど観てる子らのです」 「わけわからんテンションでした」 「ボーカルの人は先輩でかわいい人なんですけど、その人がかわいいって言われる流れで俺まで『かわいい〜‼︎』とか叫ばれたりして」 「演奏ですか?もちろんぶちかましてやりましたよ」 「いや〜とにかく最高でした」 「もう死んでもいいくらいです」 いやそれはさすがに早いやろ。 学生の言葉使いは大抵やや極端で微笑ましいです。 でもいいもんですね。 10代のエネルギーの爆発。 今しか出来ない事をやり切ったということ。 彼は高校生になってからバンドを組みたいと思いながらもずっと出来ずにいました。 バンドはひとりでは出来ません。 メンバーとの出会いは縁です。 縁と言うのは狙ってどうこうできない部分があります。 彼はなかなか縁に恵まれませんでした。 その彼が先輩のバンドから声がかかり、自分のバンドでも活動が出来るようになり今回の文化祭を迎えるに至ったのです。 そりゃ嬉しいですよね。 去年は客席から観るしかなかったのが、スポットを浴びる側に回れてしかもステージは大成功だったわけですから。 嬉しさひとしおです。 くさらずに頑張ったかいがあったというものです。 くさりかけてはいたんですけどね。 先が見えない状況はつらい。 そういう時は励まして元気づけてあげたいと思っています。 一回一回のレッスンは時に地味だったりします。 一小節、または一つのパターンを延々練習という事もあります。 伸びしろを作る為の基礎は時間がかかって苦痛な事もあると思います。 でもそうした積み重ねが素晴らしいパフォーマンスへの道筋をつけるのです。 自信にもつながります。 自分の中に実績を積むわけですからごく自然でしっかりとした自信だと言えます。 音楽を通じて人とつながることも出来ます。 演奏がもたらすコミュニケーションは音楽にしかない豊かさがあると思います。 "実りの秋"を見届けた素晴らしい日でした。
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