柔軟なレッスンに欠かせないのが良質なテキスト。
エチュードは別にしてリズムの基礎を練習するためのものは自分で作ります。 ルーディメントと呼ばれるスティッキングをまとめたものやリズムパターンなど50種類以上。 手順を細かく書き込んだもの、考えてに考えて作り直しを重ねたものなど。 やはり思い入れがあります。 けれどこういうのは作り手の気持ちが前に出過ぎない方がいいので突き放した目で見ます。 使い勝手重視。 どれだけ苦労して作ったとしても使いにくければ容赦なくボツにします。 でまたこれが考えに考えたものほどいいのかと言うとそうでもなく。 なかなか難しいです。 中国の宋の時代を生きた欧陽脩(おうよう-しゅう)と言う文筆家がいたそうです。 こんな話をしています。 「余、平生作る所の文章、多くは三上(さんじょう)に在り。乃(すなは)ち馬上・枕上(ちんじゃう)・厠上(しじゃう)なり」 三上(さんじょう)というエピソードです。 「私がいつも書く文章。それを思いつくのはたいてい『馬に乗って移動している時』『布団の中』『トイレの中』の3つの場所なんだ。」 現代風にアレンジしてみました。 馬は現代では電車か車に置き換えられるでしょうか。 そうすると"三中"と言う感じですね。 長時間考えを練るのにふさわしい場所ではないので、おそらく閃きについて語られているんだと思います。 無意識の力が働く。 そんなことがあるのかも知れません。 考えごとや制作中のものをあえて棚上げすることがあります。 そうしておくと全く関係ない何かの拍子に考えが"降りて"来たりするのです。 まるで降霊を行うイタコのように。 例えば私の生徒さんにはおなじみの"Hi-Hat Line"というテキスト。 これは国道24号バイパスの西九条町付近を車で走っている時に思いついたものです。 突然。 まさに降りてきました。 「そうか!こうすれば!」 運転中にあまりにいいものが降りてくると危険です。 走る凶器とかシャレになりません。 でもあとになると思い出せなくなったりします。 そんなときに限って急いでいたりするんですよね... 今でもあの辺りを通ると時折その時の感覚が蘇ります。 そう言えば。 1%のひらめきと99%の努力。 そんな言葉を残した発明家もいましたね。
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